2015年5月25日月曜日

童話サークルわらしべ


【わらしべ通信 №28】


5月17日(日)第3回わらしべ総会、わらしべ定例会
「童話サークルわらしべ」発足から2年経ちました。今まで、同人誌を発行したり、ゲスト作家さんをお招きして勉強会を開いたり、充実した2年間だったと思います。また新たに始まるこの1年も、より実りある濃い1年にしていけますように……!

さて、今日の合評作品は3作。
 不思議な雰囲気があふれるYA向け作品に、70歳という節目に自分を振り返って書いた深みのある自伝的エッセイ、楽しいおばけが出てくる幼年向けの絵本原稿。それぞれが「書きたい」という思いのこもった作品ばかりでした。

 様々な意見が出るなか、「そうか、そうなのか……!」と思ったことをいくつか載せます。(毎度のことですが、顧問の沢田俊子先生からのアドバイスの一部です)
 頭のなかに浮かんだ物語やイメージを文字にするのは、とても難しいことです。いざ書こうと思っても、頭がいっぱいでどこからどう書いていいのかわからない。そういう時どうしたらいいか? 

“一度、自分の中にあるものを、いったん全部出し切ってみる”といいそうです。そうすることで書きたいことがわかってきて、推敲していくうちに核が残っていく。最初は物語になっていなくてもいいから、自分が本当に書きたいこと、伝えたい思いを、バーっとノートなどに書き連ねてみるといいかもしれません。
 作家にとって、自分のことを包み隠さず書くということは、(自分の感情をさらけ出すということは)恥ずかしいかもしれないけれど、大切なことなのだそうです。

 そうしてテーマが見えてきたら(書きながら、より見えてくる場合もありますが)、材料をそろえて、作品の背景を整えて、脳内熟成をして(パソコンに向かっている間だけが創作の時間ではないそうです)、やっと書き始めます。
もし、何も決めずに、テーマもあやふやなまま、いきなり書き始めたりすると、途中で行き詰まってしまい書けなくなってしまうことがあります。

1枚の上等な布を前にして、いきなり裁断する人はいない。どんな服を作ろうか、どんなデザインにしようかと、細かく考えてから裁断するはずですよね。
 物語を書くという作業も、「裁断」と同じです‟

ステキな例えだと思いませんか? 忘れないように、ここに載せますね。
(はい、もちろん沢田先生のお言葉です)
 
読者は、物語を通して、作者が伝えたいことを、しっかり察知します。そして、がっつりした何かを欲しがります。おもしろさや、共感したくなるような思いや、自分の心を喜ばせてくれるものを。(子どもの頃、私自身もそうでした。この本は、私の気持ちを満たしてくれるかな? というのが、本選びの基準になっていました)このような思いに応えるには、裁断(書き始める)前に、し~っかり考えないと、ですね!そして書いて、書いて、推敲、推敲デス!みなさん、がんばりましょう!

(担当:井上林子)