2017年5月25日木曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.52】

 5月21日、新緑もまぶしく汗ばむような午後でした。
今日は年に1度のわらしべ総会を含む定例会です。顧問の沢田俊子先生にもご出席いただき、会員数19名中16名の出席(委任状3名)で、会計や活動についての報告、計画など、議事を進行しました。
 立ち上げ時より、少々硬いですが意外ときちんと規約など定めて、役割分担をして活動してきました。会員の皆の協力で「わらしべ丸」は航海を続けられそうです。

 思えば5年の間に乗船員は半数が入れ替わり、船長は相変わらずまじめすぎて感心されていますが、国に帰って行ったメンバーに涙したり、新大陸から乗船してきた人に
感嘆したりしながら、舵をとっています。今日も、うれしい再会がありました。
 
 さて、総会に引き続き作品合評をしましたが、提出作品が多かったので、皆で集中して臨みました。沢田先生のご指導も受けられて、ひき締まった合評となりました。
前半の4作品は、「ペットの死を扱った中学年向け短編」「新聞掲載予定作品の原案」「面白く読みごたえのある高学年向けのSF作品」「公募向けの幼年もの」です。
・命を書くこと
・場面で書くこと
・専門知識と創作のバランス
・公募での禁忌
についての問題を、それぞれの作品を通して勉強できました。

後半は3月の宿題(沢田先生から頂いた3種類の書き出しの部分に続けて自由に創作)の13作品について、同じ書き出しで書かれた2~3作品ずつに分けて合評しました。
ファンタジーとリアリズムの書き出しがありましたが、それに続く創作部分が全く違う発想になり、読後感になり、変幻自在なのに気づきます。
『創作のエクササイズ』とは、どういうことか、提出された作品を読んで、先生の今日の話を聞いて、納得できたのではないでしょうか。

東京のサークル『童話の会 ペパン』様より、ご厚意にて冊子『ペパン VOL.2』をわらしべ会員全員に頂戴しました。皆で勉強させていただきます。どうもありがとうございます。

 6月は会員相互の合評会になりますが、先生に来ていただいた3ヶ月(3.4.5月)の良い緊張を忘れず、わらしべ丸は進みます。
                           (担当:藤谷クミコ)

      

2017年5月1日月曜日

とんとんぼっこ

4月22日土曜日のとんとんぼっこ例会は、岡山のももっこさんから三名と、『若冲―ぞうと出会った少年』を昨年ご上梓されたプレアデスの黒田志保子さんのご参加をいただき、新鮮で熱気のあふれる時間となりました。
 ももっこさんから出された三作品は、いずれも中編でキャラクターも物語もしっかりしていて、その完成度と熱意に圧倒されつつ、みな緊張して臨みました。こうした作品を読ませていただくのも勉強になります。
とんとんぼっこからは五作品。短い恋の物語、幼年向けの短編が三作品、中学年向けの不思議な記憶の物語。同じメンバーで合評を続けていると、この人が書いた作品、として見てしまう部分がどうしても出てくるように思います。違う顔ぶれでの合評は作品そのものを見ていただける機会でもあると思いました。具体的でするどく切り込んだ意見をいただき、次につなげるいい時間になりました。
 合評の後の交流会では、黒田さんの創作のことなども伺い、楽しい時間をすごしました。
 こうした交流をお互いに続けましょうと言っていただきました。
 いろんな方からの力をいただくことができて、今後の糧にしなくては。

 メンバーのひとりが合評後に、アップルの創業者スティーブ・ジョブズが語った『今、この時点での「点」は未来に向かってつなぐことはできない。過去となった時、振り返ってつなぐことができるもの。だから、現在の「点」が未来につながると信じることが大切で、それが自信につながるのだ』という内容の言葉を引いて、つぎのような感想をつづっていました。
*****合評というのは、今はわからないかも知れないけれど、未来に向けて点と点をつなぐ作業をしているのではないでしょうか。書き始めた頃の自分の作品を見直してみると、今ならこうは書かないよな、と赤面するのですが、その時点で、過去の点と点がつながっていた、と知ることができます。
先日の合評会でも、きっと点と点が未来につながったに違いありません。
あの時があったからこそ、この作品が生まれた、という日はいつか必ず来るでしょう。そう信じて書き続けたいものです。********

次回のとんとんぼっこは7月の例会に向けて、臨時合評会を5月27日に行います。
                              (さとうともこ)
『若冲 ぞうと出会った少年』
国土社