2017年2月20日月曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.49

 219日、わらしべ定例会には14名が出席でした。チョコレートの差し入れを嬉しくいただきながら、6作品を順に合評です。
 今日の作品は、バラエティ―に富んでいて、それぞれの作品に皆が発言したいことがたくさんあって、どんどん意見や感想が飛び交いました。
というのも、どの作品にもその作者ならではの背景が垣間見えるのですが、同時に不十分な点も多々あって、伝わり方が実にバラバラだったのです。
 
問題点を整理してみました。
・幼年作品に使うエピソードの数とキャラクターの書き分け。
・必要なアイテムや 情景について、読者の想像力で補いにくいことはわかりやすく書く。
・作品背景で読者に必要な登場人物の心情は、前半に書いておく。
・習作でもメッセージ、テーマをしっかり決めて書く。
・公募を目指すなら、既存作品に無い独自性をプラスするべき。
・対象年齢の理解ができていない。
・時系列や登場人物が混乱している。
・作品にするにあたって元になった事実と創作のバランスを、どのように考えるか。
・物語(主人公)が動き出すタイミング。
・作者のこだわった箇所が、読者にとっては読むのに疲れる箇所になった。
など、合評しながらお互いに気づかなかった点を発見していった時間でした。

読書家のメンバーからは、本の紹介も兼ねた作品世界への意見が出たり、出版を果たしているメンバーからの叱咤激励的発言もあり、こうやって集う事の有り難さを感じました。
合評を受けた6人が書きたい世界を「こんなふうに伝えたい」と感じられた合評会だったと思います。参加者の中からも、自作に共通の問題点として学べたという声が聞かれました。 

さらに、スペシャルなおまけ時間として、会員の井上林子さんより、幼年童話の近著『マルゲリータのまるちゃん』 について、発刊にいたるまでの行程、ウラ話、などを細かに教えていただきました。幼年作品ならではの、画家さんとの関係やこぼれ話も興味深く聞きました。
身近にこんなに丁寧に語ってもらえる作家さんがいるメンバーは、とてもラッキーです。                                          (担当:藤谷クミコ)

●井上林子さん「わらしべ通信NO.45〜NO.47」で紹介した1〜4巻目に続き
シリーズ5巻目 発刊
『11歳のバースデー ぼくたちのみらい3月31日 四季和也』(くもん出版)




2017年2月10日金曜日

とんとんぼっこ



 この冬は雪がよく降ったので遠方からの参加者が心配でしたが、今年初の例会128日は暖かくよい天気でした。
まず、昨年一年間の会計報告ののち、今年の活動計画について。合評会は年4回、1月、4月、7月、10月に行うこととし、今年新たに取り組みたいことなど話し合いました。
合評作品は7作品、時間を延長して合評しました。
昨年の童話塾で拾ったタネを育てようと取り組み続けているお話は、どこにこだわるかを再確認。公募に向けたお話は公募の求める物語にどう近づけるか。同じ主人公のいくつかの短い物語を中編にまとめてみる試みや、思春期の少女の親子関係を親とはぐれた動物と絡めて描いた作品はどちらも生き物への思いが詰まって、整理が必要。そして、思いが詰まっているといえば、昨年から書き始めた方の作品。実体験から得た、たくさんの思い出があるせいで、まだ、事実をならべたあらすじになっていると指摘がありましたが、それを『読める物語にしたい』という思いに、みな全力応援のかまえです。
「事実に縛られない。少しずつ場面を切り取って描いていこう」というアドバイスは、全員にも共通するところです。伝えたいことを、盛り込みすぎず、どこにフォーカスして伝わるように描くか。今回、共通していたところのようでした。
自分で書いているときには見えにくいことが、人の作品を読むと気がつくという実感もあり、合評の力も上がってきているようです。
それぞれが自分の課題を見つけて向き合う空気が感じられ、『合評の基本』を忘れずに活動を続けて行こうと気合をいれて、とんとんぼっこ三年目、スタートです。
次回は4月22日土曜日の予定です。            (さとうともこ)